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映画「ユリゴコロ」ネタバレ・あらすじ!原作との違いの考察と感想

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映画ネタバレ・感想
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映画「ユリゴコロ」は、沼田まほかるの傑作ミステリー小説を、吉高由里子主演で映画化した作品です。

夫婦とは、親子とは、そして人を愛することとは何か・・

そこで今回の記事では、映画「ユリゴコロ」ネタバレ・あらすじ!原作との違いの考察と感想を紹介します。

それでは最後までお読みください(^▽^)/

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映画「ユリゴコロ」解説

カフェを営む亮介。

ある日、男手ひとつで育ててくれた父親が余命わずかと診断され、結婚を控えていた千絵が姿を消してしまう。

新しい家族を作ろうとしていた矢先の出来事を受けとめ切れない亮介は、実家で「ユリゴコロ」と書かれた1冊のノートとめぐりあう。

 

キャスト

  • 美紗子:吉高由里子
  • 亮介:松坂桃李
  • 洋介:松山ケンイチ
  • みつ子:佐津川愛美
  • 千絵:清野菜名
  • 美紗子(中学生):清原果耶
  • 細谷:木村多江

 

スタッフ

  • 監督:熊澤尚人
  • 原作:沼田まほかる
  • 音楽:安川午朗
  • 脚本:熊澤尚人
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映画「ユリゴコロ」ネタバレ・あらすじ

映画「ユリゴコロ」のネタバレを含んだあらすじを紹介します。

 

ユリゴコロ

亮介は婚約者の千絵と山奥の喫茶店を営み、幸せな生活を送っていました。

しかし、ある日千絵が突然失踪し、さらに亮介の父が末期ガンであることが発覚します。

喫茶店の経営も悪化し、亮介は精神的に追い詰められます。

そんな中、実家の押入れから「ユリゴコロ」と書かれたノートを見つけます。

 

殺人者・美紗子の半生

「ユリゴコロ」は殺人者・美紗子の半生が綴られていました。

「平気で人を殺す私のような人間は、脳の仕組みが普通と違うのでしょうか」という書き出しで始まります。

普通の人には心の拠り所「ユリゴコロ」がありますが、美紗子にはそれがありません。

無口で、友達と遊んでも新しいオモチャを貰っても喜びを感じない美紗子は、ある雨の日、友達を池に突き落とし溺死させてしまいます。

初めて喜びに近い感情を抱いた美紗子は、中学でも再び人を殺すことで喜びを感じます。

調理専門学校で友達のミツコと出会いますが、彼女も殺してしまいます。

こうして美紗子は次々と人を殺していきます。

 

千絵の捜索

亮介は「ユリゴコロ」を読み、殺人鬼・美紗子に共感できないながらも強く惹かれます。

ある日、亮介の喫茶店に千絵の友人・細谷が訪れ、千絵の捜索を手伝いたいと申し出ます。

千絵が暴力団と関わっていることが分かり、亮介は細谷の協力を得て千絵の行方を追います。

 

同棲生活

美紗子は洋介と出会い、同棲生活を始めます。

洋介は過去に子供を誤って殺したと告白し、それが美紗子が関与した事件であることが判明します。

美紗子は洋介との間に子供を授かり、幸せな生活を送りますが、罪の意識に悩み、自殺を図ります。

洋介に助けられた美紗子は、自分が重罪人であることを家族に知られてしまい、洋介から逃げるように去ります。

 

真の家族

亮介は「ユリゴコロ」を読み進めるうちに、自分が美紗子の子供であることを確信します。

千絵の行方を追い、暴力団のオフィスに向かうと、既に全員が死んでおり千絵は無事でした。

現場には「ユリゴコロ」に登場するオナモミの実が落ちていました。

喫茶店に戻り千絵を介抱していると、細谷が現れ、彼女が実は亮介の実母であり殺人者・美紗子であることが明かされます。

美紗子は亮介のために再び殺人を犯し、真の家族として再会します。

その後、美紗子は洋介の病室を訪れ、再び姿を消します。

全てを知った亮介は、家の庭で物思いにふけるのでした。

 

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映画「ユリゴコロ」原作との違いの考察と感想

本作の企画立ち上げ時、プロデューサーは原作者に「原作を改変する」という条件を提示し、了承を得て映像化が進められました。

そのため、映画版は原作と完全に異なるわけではないものの、登場人物やストーリー展開に大幅なアレンジが加えられています。

特に大きな改変は、亮介の出生と生い立ちを巡る物語です。

原作には以下のようなエピソードがありますが、映画版ではこれらがほぼ削除されています:

  • 亮介を育ててくれた母が最近交通事故で亡くなった。
  • 亮介は4歳の頃に長期入院し、久しぶりに家に帰ると母が別人のように感じた。
  • 亮介の生みの母・美紗子は夫や親族に自分が殺人鬼だったことを知られ、家族によって殺されそうになった。
  • ダム湖で溺死させられそうになった美紗子は父に助けられ、「家族に関わるな」という条件で生かされた。
  • 美紗子が去った後、妹の英実子が亮介の母に成り代わり、素性を隠して育てた。
  • 生かされた美紗子は「細谷」という偽名を使い、亮介の経営する店で従業員として働いていた。

これらのミステリー要素は映画版ではほとんどカットされています。

原作のミステリー展開は叙述トリック的な構成で、映像化には向いていないため、この改変もやむを得ないと感じます。

その代わり、映画版では現代パートの亮介と過去パートの美紗子の苦悩や葛藤を描くヒューマンドラマが強調されています。

ラストシーンも映画と小説では異なっています。

原作では父がすべての真相を息子に打ち明けた後、息子たちへの思いを断ち切って、生きていた母・美紗子と共にどこか遠くへ旅立ちます。

一方、映画版では、美紗子が病床の洋介と再会するラストになっています。

この映画版のラストは、美紗子と洋介の思いがようやく実を結ぶシーンとして感動的でした。

 

原作からの改良点

前述の通り、本作はミステリー要素を削ぎ、人間ドラマに重点を置いています。

映画のラストでは、元夫のもとから千絵を連れ帰した亮介が美紗子と対峙する原作にはなかったシーンが加えられています。

亮介が塩見を殺せなかったことで感じる喪失感と、美紗子との葛藤を描くシーンは、亮介が自分の血と良心の間で揺れる姿を色濃く描いており、良いアプローチだと感じました。

また、妻が殺人鬼だと知った洋介がダムへ美紗子を沈めようとする場面も、原作では家族が手をかけようとしていたのに対し、映画では洋介自身がその役を担っており、彼の苦悩が強調されています。

美紗子の心の中にある見えない異物のメタファーとして、原作ではヌスビトハギが使われていますが、映画版ではオナモミが使われています。

オナモミの見た目の禍々しさは、美紗子の心理描写にぴったりでした。

 

本作の不満点

本作は原作よりも人間関係が簡略化されているため、ストーリーの把握はしやすくなっていますが、登場人物の言動に違和感もあります。

原作では亮介の弟・洋平が登場しますが、映画版では彼が登場せず、亮介が見つけた殺人者の手記を店の従業員の男の子に打ち明ける場面があります。

この設定変更には違和感を覚えました。また、原作では美紗子が亮介の経営する店に従業員として働いていましたが、映画版では美紗子が偶然千絵と同僚だったという設定になっており、これも不自然に感じました。

亮介の婚約者・千絵に暴力を振るう元夫・塩見の設定が、原作ではただのDV男だったのに対し、映画版ではヤクザの幹部に変更されています。

この改変には必要性を感じず、もっとリアリティのある展開にしてほしかったです。

さらに、原作では亮介が千絵を連れ戻した後、父・洋介との血を超えた繋がりを感じさせるシーンがありましたが、映画版ではカットされており残念でした。

 

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まとめ


今回の記事では、映画「ユリゴコロ」ネタバレを解説しました。

映画「ユリゴコロ」は、沼田まほかるの傑作ミステリー小説を、吉高由里子主演で映画化した作品です。

夫婦とは、親子とは、そして人を愛することとは何か・・

それでは最後までお読みいただきありがとうございました^^

 

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