映画「前科者」ネタバレ・あらすじ！ラブシーンがなぜ必要だったか考察と感想

2024年6月12日

映画「前科者」は、元受刑者の更生を助ける保護司の姿を描いた社会派ヒューマンドラマです。

主演の有村架純が不器用なほど真っすぐで、ユーモアもあるが実は過去に秘密を抱える主人公を好演しています。

そこで今回の記事では、映画「前科者」ネタバレ・あらすじ！ラブシーンがなぜ必要だったか考察と感想を紹介します。

それでは最後までお読みください(^▽^)/

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映画「前科者」解説

コンビニのアルバイトと保護司という2つの仕事を掛け持つ阿川佳代、28歳。

阿川は殺人を犯した工藤誠を担当することになり、懸命に生きる彼を全力で支える。

ところがある日、工藤は保護観察終了前の最後の面談に現れず、こつぜんと姿を消してしまう。

キャスト

阿川佳代：有村架純
滝本真司：磯村勇斗
実：若葉竜也
鈴木充：マキタスポーツ
斉藤みどり：石橋静河
高松直治：北村有起哉
松山：宇野祥平
遠山史雄：リリー・フランキー
宮口エマ：木村多江
工藤誠：森田剛

スタッフ

監督：岸善幸
音楽：岩代太郎
原作：香川まさひと、月島冬二
脚本：岸善幸

映画「前科者」ネタバレ・あらすじ

映画「前科者」のネタバレを含んだあらすじを紹介します。

阿川佳代保護司

阿川佳代は保護司として働いており、その仕事は基本的に無報酬のため、コンビニでも働いています。

佳代は勤務の合間に保護観察中の村上を訪ね、無断欠勤した村上に会社に行くよう説得します。

文句を言う村上を一喝し、最終的には優しく諭しました。

半年前に担当となった工藤は勤務態度が良く、勤務先の社長も更生期間が終われば正社員として雇うと話しています。

工藤誠

工藤は10歳のとき、母親が義理の父に殺され、その後弟とともに施設を転々としました。

施設を出て就職したものの、先輩からの激しいいじめに耐えきれず、先輩を殺してしまった過去があります。

この事件は母親を侮辱されたことに対する激情が原因のようですが、工藤自身はよく覚えていません。

また誰かを殺してしまうかもしれないと不安がる工藤に対し、佳代は優しく接し、信頼を深めていきます。

銃を奪われる事件

月2回の面談も順調に進み、保護観察期間が終わったらお祝いにラーメンを食べようと約束します。工藤の最後の面談が近づいていました。

その頃、交番の巡査部長が何者かに襲われて銃を奪われる事件が発生し、その後区役所の職員がその銃で撃たれて亡くなります。

さらに児童養護施設の職員も同じ銃で撃たれて殺されました。

工藤は仕事帰りに銀髪の若い男を目撃し、その姿に見覚えがあり後をつけると、それが施設を離れてから行方不明になっていた弟の実だと判明します。

工藤は実に声をかけます。

実が何人もの人を殺していることを知った工藤は、実に自首を促しますが、実は襲った巡査部長が母親のDVを揉み消したこと、区役所の職員のミスで義父に母親の居場所がバレて母親が殺されたこと、児童養護施設の職員が工藤たちを虐待していたことを告白します。

工藤の脳裏に嫌な思い出がよみがえります。

工藤のDNA

第3の事件の被害者から工藤のDNAが検出され、工藤も警察に追われることになります。

工藤は姿を消し、最終面接にも現れません。

心配する佳代の前に刑事の滝本が現れ、工藤を探していると話します。

実は佳代と滝本は同級生で、互いに惹かれ合っていた仲でした。

しかし、暴漢に襲われそうになった佳代を助けた滝本の父が、代わりに刺されて亡くなるという事件が起こり、それが二人に大きな傷を残しました。

義父の遠山

滝本と再会したのはそれ以来でした。

滝本は人殺しを「所詮人間ではない」と断じますが、佳代は工藤が犯人とは思えませんでした。

佳代は自分を責めますが、かつて佳代の保護で改心したみどりが慰めます。

警察は次のターゲットを義父の遠山と定め、捜査を進めます。

佳代も遠山の弁護士である宮口に頼り、遠山との面談を取り付けます。

そこに、実を乗せた工藤の車が現れます。実が遠山の部屋に向かおうとしますが、そこには警察の包囲網が敷かれていました。

それに気づいた工藤は実に逃げるよう叫びますが、工藤は肩を撃たれてしまいます。

実は逮捕される直前に隙を見て自らの頭を撃ち、自害します。

友達だからだよ

工藤は怪我の手当てを受けた後、弁護士の宮口との面会を望みます。

その時、滝本は実の持っていた資料から次のターゲットが宮口であると知り、佳代に知らせます。

佳代は現場に駆けつけ、工藤を見つけると引っぱたき、「人間に戻るよう」訴えます。

佳代に抱き締められた工藤は落ち着きを取り戻し、事件を未然に防ぐことができました。

しばらくして、佳代はみどりを連れて中学時代の母校を訪れます。

図書室で佳代は一冊の本を戻します。

それは、滝本がその当時、父を殺した犯人への憎しみを書き綴った本でした。

佳代はその本をこっそりと借り、落書きを消していたのです。

今、本を返しに来たのでした。

みどりはなぜここに来たのかを尋ねます。

佳代は「友達だからだよ。惚れるなよ」と笑顔で答えます。

映画「前科者」ラブシーンがなぜ必要だったか考察と感想

映画「前科者」における阿川佳代（有村架純）と滝本（磯村勇斗）とのラブシーンは、一部の観客にとって驚きや違和感をもたらしたかもしれません。

では、このシーンが物語全体にどのような役割を果たしているのか、考察してみましょう。

ラブシーンの役割と必要性

キャラクターの人間性の深掘り ラブシーンは、佳代と滝本の人間性や感情をより深く描き出す手段として用いられています。彼らは過去に深い傷を抱えており、それが現在の行動や選択に影響を与えています。ラブシーンを通じて、彼らの内面の脆さや孤独が浮き彫りになります。このシーンは、彼らの絆の深さを示すだけでなく、傷つきやすい人間としての側面を観客に理解させるために重要です。
物語の緊張感の緩和と感情のコントラスト 映画全体が持つ緊張感やシリアスな雰囲気の中で、ラブシーンは一時的な緩和を提供します。物語が展開する中で、観客は一瞬の安らぎや温かさを感じることができます。これにより、物語のダイナミズムが増し、感情の起伏がより鮮明になります。
登場人物間の複雑な関係性の表現 佳代と滝本の関係は単純なものではありません。彼らの間には過去の事件という複雑な背景が存在します。ラブシーンは、その複雑な関係性を象徴的に表現しています。彼らが再び惹かれ合うことで、観客は彼らの間にある未解決の感情や葛藤を感じ取ることができます。
物語のテーマの強調 「前科者」は、過去の過ちや罪、そしてそれに対する贖罪と再生をテーマにしています。ラブシーンは、キャラクターたちが過去と向き合い、癒され、再生する過程の一部として機能します。愛と赦しの要素を通じて、映画のテーマを強調し、観客に深い感動を与えます。