夜明けのすべてのあらすじやネタバレを含んだ感想を紹介

夜明けのすべて

松村北斗と上白石萌音のダブル主演映画「夜明けのすべて」が2024年2月9日に公開されました。

「夜明けのすべて」は、PMSで生きる喜びを見いだせない女性とパニック障害を抱える男性が、お互いの支えとなりながら希望を見出していく温かい物語です。

瀬尾まいこさんによるこの作品は、心温まるエピソードが詰まっています。

そこで本記事では、瀬尾まいこさんによる『夜明けのすべて』のあらすじやネタバレを含んだ感想付きでご紹介いたします。

 

 

目次

夜明けのすべてのあらすじ

主人公の美沙は、PMSに悩まされながらも栗田金属で事務員として働いている。

彼女は症状が酷くなると攻撃的になり、以前の会社でも問題を引き起こしてしまった。

しかし、栗田金属では理解のある環境で働け、周囲の支えもあり居心地が良かった。

そんな彼女が転職してきた山添にイライラをぶつけてしまうが、彼がパニック障害を抱えていることを知る。

彼もまた以前は充実した生活を送っていたが、病気になってからは無気力な日々を送っていた。

お互いに友情や恋愛感情は持っていないが、共通の病気を通じて助け合うことができるのではないかと思うようになる。

彼らは周囲の理解を得ながら、新たな一歩を踏み出すことができるだろうか。

 

 

夜明けのすべてのネタバレを含んだ感想

 

“パニック障害は本人にとって非常に苦しいものです。

恐怖でいっぱいの症状が襲ってくると、日常生活の中のさまざまなことが恐怖に変わります。

乗り物に乗ること、外食、美容院、買い物など、普段の何気ない行動さえも恐怖心に支配されてしまいます。

息が詰まり、死ぬかと思うほどの発作に襲われることもあります。

そうなると、日常生活を送ること自体が困難になります。

しかし、理解して助けてくれる人がいれば、心強さを感じることでしょう。

PMSも同様に、理解されず非難されることがあります。

しかし、この物語の主人公たちはお互いを思いやりながら、距離感を保ちながら共に生きています。

少しずつ、生きる苦しさから解放されていく姿が、プラネタリウムのナレーションを通じて見えました。

職場の環境が持病を抱える人々にとって生きやすい場所になることは、生きる力を楽しみに変えてくれる可能性を秘めています。

病気を理解してくれる職場の人々に恵まれることが何よりも大切です。

この映画は心が穏やかになる作品でした。”

 

“感動的で心温まる映画でした。

物語は最初はふたりともそれぞれの病気に葛藤し、ピリついたりハラハラする場面もありましたが、お互いがお互いを理解しようと努力することで、新しい世界が広がっていきました。

後半では、それぞれが自分と向き合い、人生の進む道を選択していく姿が描かれています。

その変化は、会社の作業着を着て外出したり、たい焼きを差し入れたり、休日に車を掃除したりする些細な行動や、表情や目線の変化で伝わってきました。

特に、恋愛要素を強調しない点が良かったです。

主演の方々は朝ドラで見かけたことがあり、素敵な雰囲気と声に惹かれていましたが、前半のダウナーな役も素晴らしく演じられていて、改めて俳優の凄さを感じました。

光石研さんと渋川清彦さんの演技も圧巻でした。

ただ、自身もパニック障害を抱えているため、暴露療法がトラウマになる可能性や、藤沢の症状が十分に好転していないまま新しい職場で働き、母との生活がどうなるかという点には不安が残りました。

しかし、全体的には素晴らしい作品でしたので、原作も読んでみようと思います。”

 

“この会社の良さを指摘するおじさんのシーンで、最も笑った。

しかし、この映画は基本的に暗いものだ。

登場人物たちは生きづらさを抱えており、それが物語の中心に据えられていることに疑問を感じることもある。

ただし、映画としては素晴らしい出来だと思う。

“寄り添う”ということについて考えさせられた。

病気や症状を持つ人に対して、励ましや前向きな言葉をかけるだけではなく、適度な距離を保ちつつ支えることが重要だと気付かされた。

男女の主演で恋愛要素を持ち込まない点も良かった。

主演の松村北斗さんは、パニック症候群になる前は、仕事で成功し、勝ち取ったものが多かったのだろうと想像できる。

病気の発症後は、現在の職場や同僚を見下してしまう気持ちがあり、自分の居場所を模索している。

しかし、同僚の藤沢さんに寄り添うことで自己成長し、前向きになっていく様子が丁寧に描かれている。

この過程を演じ分ける松村さんの演技に好感が持てる。

映画は、栗田科学という中小企業が舞台となっており、その優しさに満ちた雰囲気が物語を支えている。

脇を固める光石研さん、渋川清彦さん、久保田磨希さんらの見守る演技も素晴らしい。

ラストシーンで示されるタイトルの意味が印象的だ。

この映画は夜空を眺めたくなるような作品だ。”

 

“PMSとパニック障害を抱えた男女2人を主役に据えながら、物語は恋愛関係に発展するような展開にはならず、互いを尊重するまなざしで結ばれる。

そのため、2人のやりとりは独特な可笑しみに溢れ、観客を魅了する。

特に、藤沢美紗の独特な距離感が、山添孝俊に初めて笑顔をもたらし、爆笑を誘う。

その後、2人が共に過ごす時間は幸せに満ちていた。

物語は美紗のモノローグで始まり、山添のモノローグで締めくくられ、16mmフィルムの美しい映像が物語を彩った。

また、中学生のドキュメンタリー撮影者たちのチャーミングなやり取りが、物語に新たな視点をもたらし、監督の発想が際立っている。

この子たちの存在は、主人公たちだけでなく上の世代だけでなく、下の世代の視点も加えられ、物語に深みを与えている。”

 

“山添くんと藤沢さんの日常が丁寧に描かれており、二人が抱える身体の不調は物語の軸とは異なるように感じる。

原作では二人が交互に主人公となるが、映画では山添くんの内面が時間をかけて明らかになる。

二人はお互いにとって”あのとき出会えてよかった人”であり、同僚としての関係を超える感情はない。

その描写や演技は素晴らしく、同僚として支え合いながらも、お互いの感情がそれ以上には発展しないことが伝わってくる。

この物語の日常が続いていくことを願いながら、エンドロールを見届けると、監督らしい温かい気持ちに包まれる。

この作品がこの座組で作られてよかったと感じる。

気付けるところが人によって異なるほど、各セクションの丁寧な描写が感じられる。

このような作品を作れる人が好きだし、また観たいと思う。”

 

“原作を読み終えた。原作と映画では多くの変更点があるが、全体的なメッセージや雰囲気は変わらず、それぞれが独自の楽しみ方を提供してくれると感じる。

映画における登場人物の日常に原作のエピソードがあったら…と想像するのも楽しいだろう。

物語は暗い雨の中、藤沢さんの語りから始まる。

前半は藤沢さんと山添くんの「どうにもならない」苦悩が鮮明に描かれ、彼らの演技力も相まって、見る者を苦しめる。

新入社員としての立場で、イライラや自制心の欠如がストレスになる場面は、自身の経験を思い起こさせた。

栗田科学での日々の描写は、街の光が印象的だった。

山添くんが藤沢さんのスマホを届けに行く場面や、休日に2人が原稿を考えるシーンなど、光の使い方や空気感が絶妙だった。

山添くんはパニック障害を抱えつつも、普通の生活を送ろうとしているし、藤沢さんも月に一度のPMS以外は普通の日々を過ごしている。

相手に寄り添うふんわりとしたやさしさが劇中で感じられ、それが色々な「生きづらさ」を消化していくような印象を与えた。

物語の終わりまで全てが解決されるわけではないが、「助けられることはある」という確信がある。人生はその繰り返しであり、それを感じた。

移動式プラネタリウムのナレーションが素晴らしく、それを聴く山添くんの表情も素敵だった。

山添くんが元上司の前で生き生きと仕事について語るシーンに感動した。

人物の心情をグラデーションのように演じることが素晴らしい。”

 

 

まとめ

出典:夜明けのすべて公式>>

以上、夜明けのすべてのあらすじやネタバレを含んだ感想を紹介しました。

PMS(月経前症候群)とパニック障害を抱える2人を中心に据えた心温まる物語です。

社会との関わり方や病気への接し方など、2人の状況が丁寧に描かれています。

映画版の主演は上白石萌音と松村北斗が務め、監督・共同脚本は『ケイコ 目を澄ませて』の三宅唱監督が手がけています。

『ケイコ 目を澄ませて』は、第72回ベルリン国際映画祭をはじめとする21の映画祭に出品され、第77回毎日映画コンクール(日本映画大賞、監督賞)や第96回キネマ旬報ベスト・テン(日本映画作品賞=ベスト・テン第1位)など、数々の賞を受賞しています。

感想は絶賛の声が多く、とても評価が高いことがわかることでしょう。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 

 

 

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