落下の解剖学のあらすじやネタバレ、感想を紹介

落下の解剖学

2024年2月23日に日本で公開される注目の映画『落下の解剖学』は、第76回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞し、第81回ゴールデングローブ賞でも外国語映画賞と脚本賞を受賞した作品です。

もう既に、海外では多くの評価が寄せられています。

今回は、『落下の解剖学』のあらすじやネタバレ、感想などを紹介します。

まだ、ご覧になられてない場合は、ネタバレが含まれているので一度ご覧になられてから本記事をご覧になることをおすすめします。

 

目次

落下の解剖学のあらすじ

ベストセラー作家のザンドラは、夫のサミュエルと視覚障害のある息子ダニエル、そして盲導犬と共に平穏な日々を送っていました。

ある日、突然、サミュエルが窓から落下し亡くなるという衝撃的な事件が起こります。

警察の捜査により、サミュエルの死は何らかの原因で頭部に打撃を受けた後に転落した可能性があると疑われます。

ザンドラは古い友人である弁護士ヴァンサンに助けを求めますが、彼はザンドラの話に疑念を抱きます。

ザンドラはサミュエルが過去に自殺未遂をしたことを語りますが、ヴァンサンは彼が他者との争いに巻き込まれた可能性を示唆します。

一方、ダニエルは警察に、両親が争っていなかったと証言しますが、警察は彼の証言に矛盾があると疑っています。

 

落下の解剖学のネタバレ

山間のシャレーに住む作家サンドラは、夫のサミュエルと視覚障害を持つ息子のダニエル、そして盲導犬のスヌープと暮らしています。

ある日、サンドラがインタビュー中に、上の階で作業をしているサミュエルが大音量で音楽をかけていました。

ゲストが帰った後、ダニエルが散歩から戻ると、屋根裏部屋の窓の下でサミュエルが亡くなっています。

落下の解剖学のネタバレ

出典:落下の解剖学公式>>

ダニエルが母を呼び、駆けつけたサンドラは警察を呼びます。

検死の結果、サミュエルの死因は頭部の致命的な衝撃であることがわかりますが、頭部の怪我と発見された落下位置が一致しないため、事故ではない可能性が浮上します。

サンドラのもとには、旧友の弁護士ヴィンセント・レンツィが訪ねてきます。

彼女は転落が偶発的な事故だと説明しますが、ヴィンセントは検死の結果を見て、矛盾があることを指摘します。

サンドラは、以前サミュエルが薬を過剰摂取して嘔吐したことがあり、それが自殺未遂だった可能性を示唆しますが、ヴィンセントは彼女の腕のあざに疑念を抱きます。

しかし、サンドラはそれがキッチンカウンターにぶつかった結果だと反論します。

警察署では、ダニエルが両親が喧嘩をしていなかったと証言しますが、会話の聞こえた場所については矛盾があります。

事件は街で話題になり、ヴィンセントはサンドラの弁護をしますが、後日、鑑識の調査で暴行の可能性が浮上し、サンドラが正式に起訴されることになります。

山間のシャレーに住む作家サンドラは、夫のサミュエルと視覚障害を持つ息子のダニエル、そして盲導犬のスヌープと共に暮らしています。

ある日、サンドラがインタビューを受けていると、上の階で仕事をしているサミュエルが大音量で音楽を流し始めます。

その後、ダニエルが散歩から戻ると、屋根裏部屋の窓の下でサミュエルが死んでいるのが発見されます。

ダニエルが母を呼び、駆けつけたサンドラは警察を呼びます。

検死の結果、サミュエルの死因は頭部の致命的な衝撃であることが判明しますが、頭部の怪我と発見された落下位置が一致しないため、事故とは思われません。

出典:落下の解剖学公式>>

裁判で、サンドラの弁護団は精神科医の記録を基に、サミュエルが以前自殺未遂を起こしたことがあり、そのような精神状態での偶発的な落下事故だと主張します。

一方、検察側はサンドラがサミュエルを鈍器で殴り、バルコニーから突き落とした殺人事件だと主張します。

裁判で流された録音では、サミュエルが自分の作品を盗作し、不倫をしていると非難し、口論が激しくなる中で暴力が行われている音声が流れますが、具体的な暴力の行為者は明らかではありません。

サンドラは、自身の不貞を認め、検察側はサンドラがサミュエルを殺したと主張します。

また、サンドラの作品には彼女の個人的な経験が反映されており、サミュエルの殺害との関連性を指摘します。

裁判の中で、ダニエルが証言し、彼の視覚障害の原因や両親の確執、結婚生活の不和などが明らかにされます。

出典:落下の解剖学公式>>

裁判の行方は不透明ですが、閉廷前に裁判長がダニエルの証言を希望したため、週末はサンドラが家を空けるよう命じ、法廷監視員が彼とスヌープを監視することになります。

マージがダニエルの叫び声で部屋に入ると、犬のスヌープが白目をむいて倒れていました。

ダニエルはスヌープに大量のアスピリンを飲ませ、なんとか吐かせることに成功し、スヌープは息を吹き返しました。

マージがなぜこんなことをしたのか尋ねると、裁判でサンドラがサミュエルの自殺未遂について話したことで、かつてスヌープが倒れた出来事を思い出し、スヌープがサミュエルの嘔吐物を食べた可能性を疑い、わざとアスピリンを飲ませたと説明します。

スヌープはダニエルの意図通りに吐いた後、異常な行動を繰り返し、大量の水を欲しがるようになりました。

マージはスヌープが倒れた時、父親のサミュエルも同様の異常行動を見せ、大量のお酒を飲んでいたことに気付き、線が繋がったことを認識します。

父が偶然死んだという母親の証言が嘘ではないことが証明されます。

しかし、両親を愛するダニエルにとって、何が真実で正しいのかわからず、苦悩します。

そこでマージから、真実がわからない時は、自分にとって何が真実かを決めるべきだとアドバイスされます。

月曜日、ダニエルは出来事を証言し、最後にサミュエルと一緒にスヌープを動物病院に連れて行った際、父が「愛する者が死ぬことを覚悟し、自分の人生が続くことを知る必要がある」と話したことを証言します。

ダニエルの証言により、サンドラは無罪となります。

帰宅したサンドラは、スヌープと一緒に眠る前に、サミュエルとの写真を見つめます。

 

落下の解剖学の感想

雪山の山荘で男性が転落死する。

男の妻が容疑をかけられ、唯一の証人は視覚障害のある11歳の息子。

サスペンスが最後まで続き、他殺か自殺かの疑問が引き続き投げかけられる。同時に映画の中心テーマは、「切り取られた一部で人を判断することの是非」だと感じました。

裁判の進行に従って、妻に不利な証拠が次第に現れ、報道もそれを取り上げる。

しかしそれらは表面的な一端であり、実際の真相は不透明のままです。

映画ではパクリ問題も取り上げられ、妻が小説家として成功する中で、夫のアイデアを盗用したことが露呈します。

妻は夫がそのアイデアを活かせないと言い、夫自身が書いた27ページを、彼女は300ページの小説に仕上げたと主張します。

この問題は現実社会でもよく見られるもので、アイデアの発想と作品としての具現化、どちらが価値あるものなのかという疑問が提示されます。

結局妻は無罪とされますが、映画では実際の出来事は描かれません。

裁判でも有力な証拠が示されず、無理やり有罪無罪を決定せざるを得ない状況が浮かび上がります。

さらに、有効なのは目の見えない少年の感情的な証言であり、この少年は時折曖昧な証言をする傾向があります。

弁護士も妻に好意を寄せ、事実よりも無罪を勝ち取ることに全力を注いでいる様子が伺えます。

観客としては、これで本当に問題が解決したのか疑問を感じますが、この映画が社会に投げかけている疑問そのものだと思います。

 

落下の解剖学のあらすじやネタバレまとめ

以上、落下の解剖学のあらすじやネタバレ、感想を紹介しました。

裁判の焦点は、夫サミュエルの謎めいた死に置かれています。

映画の世界では、登場人物やその環境によって、真実という概念が曖昧に捉えられ、それがどのように解釈されるかは個々の経験や視点に依存します。

この作品は単なる謎解きのミステリーではなく、その奥深さを感じさせます。

鑑賞後も考えさせられ、忘れられない作品になることでしょう。

また、ザンドラ・ヒュラー、スワン・アルロー、ミロ・マシャド・グラネール、アントワーヌ・レナルツなど、俳優陣の演技にも注目したいですね。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

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