『あまろっく』は、2024年4月19日に公開の日本映画です。
監督は中村和宏で、主演は江口のりこさんと中条あやみさんです。
兵庫県では同年4月12日から先行上映が予定されています。
尼崎が舞台となり、39歳の独身女性、65歳の能天気な父、20歳の再婚相手が織りなす「想定外の共同生活」を描いたホームコメディです。
この映画は、街で鉄工所を営む家族を描いています。
関西出身の俳優ばかりが出演しているので、「違和感」はありません。
セリフよりも日常会話を交わしているような掛け合いに、まるで隣近所の出来事かのような親しみを感じる、まさに市井のドラマです。
一家の苗字「近松」は、尼崎との関わりが深い近松門左衛門をイメージさせるのもいいですね。
今回は、あまろっくのネタバレ考察を詳しく解説していきますのでぜひ最後まで読んでいってください。
それでは、本題に入ります。
そもそもあまろっくとは何か?
兵庫県の尼崎市に位置する閘門、通称“尼ロック”は、英語でLockGateと呼ばれます。
この巨大な閘門は船舶の通航を可能にし、尼崎市の海抜0メートル地帯への海水の流入を防ぎます。
尼崎市では、市域の約3分の1が海面よりも低い「ゼロメートル地帯」であることがよく知られています。
かつて、台風によって家が水に浸かることがしばしばあり、その話をする先輩たちも多いです。
この水害から生活を守るため、防潮堤が1956年に建設されました。
この堤防は海面から7メートルの高さで市を囲み、今から70年近く前の出来事です。
高い壁で市を囲むと、内側の工場に船が入港できなくなるため、尼ロックが誕生しました。
このロックは海から市を守りながら、船の出入り口として機能します。
水面の高さを調整することで船の往来を可能にし、その仕組みはパナマ運河と同じ方式です。
日本最大級の施設として知られています。
ちなみに、正式名称は尼崎閘門(こうもん)です。
「尼ロック」
20年ほど前に、英語で閘門を意味するLock Gate(ロックゲート)から、「尼ロック」という愛称が使われるようになりました。
カタカナにすると、ロックンロール感もあってなんだかかっこいいですね。
海側には前扉があり、まち側には後扉があります。
船が海から近づくと、前扉が開いて船を入れます。
尼ロックに入ったら、前扉を閉めてから後扉を開き、船を進めます。
外海の高い水位から内側の低い水位へと移動させる仕組みになっています。
巨大なタンカーがゆっくりと動く姿や、空に広がる白い雲と青空の対比が美しく、その景色に見とれてしまいます。
あまろっくのあらすじ
出典:あまろっく公式
一人娘の優子は、学業で優秀ながらも周囲とうまく協力できず、会社でリストラされ、父と二人での生活を余儀なくされる。
帰宅した優子を、父は「祝リストラ」という横断幕で迎える。
江口のり子が演じる優子は、笑顔をぶっきらぼうなタイプ。
一方、父を演じる笑福亭鶴瓶は、「人生に起こることはなんでも楽しむ」を哲学に、毎日を笑顔で過ごしている。
この「ユニークな出迎え」は、二人の個性と父娘関係を象徴している。
ある日、夕食をとっている時、父が「再婚する」と言い出し、微妙な調和から混乱へと流れが変わる。
20歳の早希を演じる中条あやみは、再婚相手であり、一家団らんを夢見るが、父と優子、早希とのぎこちない生活が始まる。
衝突を繰り返しながらも、徐々に打ち解けていく様子が想定内だが、この作品は「想定外の出来事」が起こり、その流れがはっきりしていく。
関西が舞台であるため、関西人の俳優ばかりが出演しており、親しみを感じる日常会話が印象的だ。
しかし、一部の疑問も残る。
優子が会社を辞めてからの生活や、同級生であるおでん屋の男性との関係、リストラ後の優子の恋愛に対する父の考えなどが描写されていない点が気になる。
ストーリーは、兵庫県尼崎市で生まれ育った近松優子の物語であり、彼女は能天気な父と優しい母のもとで育った。
大学卒業後、東京の大手企業で働いていたが、39歳でリストラされ、尼崎に戻ることになる。
そんなある日、父が再婚すると言い出し、20歳の早希を連れてくる。
自分よりずっと年下の「母」の登場に戸惑う優子、3人の家族の日々は噛み合わないまま悲劇が訪れる。
あまろっくのネタバレ考察
若い頃のお父さん役は松尾諭さん、後半は笑福亭鶴瓶さん。
町工場の経営者ですが、働いている気配が全くありません。
街をぶらつき、あちこちでおしゃべりしています。
お二人とも、その姿がよく似合っています。
尼崎という街では、そんな人でも疑われることなく、のんびりと受け入れられるため、このお二方のキャストがぴったりと感じ取れます。
高学歴でエリートだった娘がニートのような暮らしを始める
高学歴でエリートだったため、気が強めの人物ですが、そのせいか色々と拗らせてしまったような印象があります。
39歳拗らせの独身は結構な数がいるでしょう。
その役に江口さんがピッタリです。
会話や演技がとても自然で興味を惹かせます。
阪神淡路大震災と関連が
舞台が兵庫ということもあり、1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災の話が出てくるのだとか。
地元の方々には忘れられない記憶がこのストーリーに現れるのかもしれません。
今まで当たり前だったことが、地震で失い、多くの人に悲しみをもたらしましたが、それを乗り越え、今幸せに暮らせることのありがたさに気付かされるメッセージがあることでしょう。
あまろっくの感想
予想以上の感動作品でした!
尼崎を舞台にした親しみ深い物語だと思って軽い気持ちで観に行ったけど、思わず涙が出てしまいました。
39歳の優子(江口のりこ)と20歳の早希(中条あやみ)がお互いに影響しあい、成長していく様子が素晴らしかったです。伏線の張り方も上手いですね!
竜太郎(鶴瓶)の男らしさや、大切なものを守る強い心、そして我が子には見せない弱さや本心、そのすべてが胸を打つかっこよさでした。
鶴瓶さんが放つ「食うて寝たら大概のことはなんとかなる」という言葉には、優しさが感じられますね。
その言葉のトーンからも、素敵なメッセージが伝わってきます。
逆に、辛い時に食べずに寝ると、結構ダメになる気がします。
安心してご飯を食べて、一緒に寝られる人がいることは本当に大切で、それが「家族」という形で満たされると感じますね。
「尼ロック」というタイトルにもなっている言葉を聞いたことがなかったし、見た目的にも地味なのですが、0メートル地帯の尼崎を海水の浸水から守る頼りになるゲートのことだそうです。
普段はどっしりとして動かないけれど、大雨の時には尼崎を守る存在として、その印象は強いですね。
「家族」というものは本当に様々な形があって、この映画を見てただ一緒に暮らしているだけが家族ではなく、「生涯を通じて守りたいと思える心の絆」が本当の家族だと感じました。
久しぶりに心温まる映画に出会えて良かったです。
まとめ
以上、あまろっくのネタバレ考察を解説しました。
いかがでしたでしょうか?
あまろっくは、不当なリストラに遭い、実家でニートのような生活を送っている39歳の近松優子は、明るい父親は突然再婚を決意し、家族団欒を夢見る20歳の早希を連れてくる。
年下の母との共同生活を送るストーリーです。
自分より若い奥さんとの結婚はなかなかレアケースですが、ストーリー性は非常に高いのでぜひご覧ください。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
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