「カラオケ行こ!」のネタばれや感想を紹介

2024年1月12日に、和山やま原作の実写映画「カラオケ行こ!」が全国公開されました。

この作品は、2019年8月に行われたオリジナル同人誌即売会・COMITIA129で頒布された和山の同人作品を元にしており、変声期に悩む中学3年生の合唱部部長・岡聡実と、ある事情から歌が上手くなりたいヤクザの青年・成田狂児の友情が描かれています。

映画の監督は山下敦弘、脚本は野木亜紀子が手がけており、狂児役は綾野剛、聡実役は齋藤潤が演じています。

本記事では、「カラオケ行こ!」のあらすじと、ネタバレを含んだ感想を紹介していきます。

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目次

「カラオケ行こ!」のあらすじ

合唱部のリーダー、岡聡実(齋藤潤)は変声期に入り、なかなかソプラノがうまく出せずに悩んでいました。

これまでの努力が実を結び、コンクールでは常連校でしたが、結果は銅賞にとどまりました。

ももちゃん先生は「銅賞でも素晴らしい成績だよ」と励ましますが、聡実は納得できずにいます。

一方、ヤクザの若頭補佐である成田狂児(綾野剛)もまた悩み事を抱えていました。

組長(北村一輝)主催のカラオケ大会が近づいており、審査員である組長に歌下手王に認定されると、刺青を入れられることになります。

出典:カラオケ行こ!公式>>

しかし、組長の技術不足から刺青が適切にできず、狂児たちは罰ゲームを回避したいと考えています。

これまで歌下手王として知られていたハイエナの兄貴(橋本じゅん)が、歌の教室に通い始め、その美しい歌声に狂児は感動します。

コンクールの会場で合唱部の歌を聴いた狂児は、聡実の歌声に触発され、新しい可能性を感じるのです。

トロフィーを取りに戻る途中、聡実の前に現れた狂児は、「カラオケ行こ」と誘いかけます。

聡実は断り切れず、カラオケに付き合うことになります。

出典:カラオケ行こ!公式>>

狂児は自分がヤクザではなく“ブラック企業”に勤めていると嘘をつき、歌を教えてほしいと頼みます。

聡実は最初は嫌々ながらも、狂児の歌声に触れるうちに興味を持ち始めます。

次の日、狂児は聡実の傘を持って学校に現れます。

部活に出ていた聡実は、友達から「岡くんの傘じゃない?」と驚かれます。

結局、聡実は狂児のカラオケに付き合うことになりますが、狂児の本当の姿がヤクザ像とは違うことに気づきます。

そして、彼の優しさに触れ、カラオケを楽しむようになります。

背景には、聡実の部活へのモチベーションの低下も関与しています。

変声期によりソプラノが歌えなくなり、部活の練習に身が入らなくなった聡実は、狂児との出会いを通じて新たな歌の楽しみを見つけるのです。

後輩の和田(後聖人)からの詰め寄りにも答えられず、聡実は幽霊部員として映画を見る部に身を置くことになります。

出典:カラオケ行こ!公式>>

 

「カラオケ行こ!」のネタバレを含んだ感想

 

“綾野剛演じる狂児の存在は、まさに「人たらしの極意」そのものである。

彼の圧倒的な「色気」は、人の心を引き寄せる力があり、その説得力は十分に感じられる。

本作では、真面目な父親ではなく、ややアウトローな御兄さんとの出会いが主人公を成長させるストーリーが描かれている。

このアメリカ映画のド定番が、現代の日本映画で描かれることの面白さがある。

監督の過去作『もらとりあむタマ子』に登場した中坊&前田敦子を思い起こすが、本作はその真逆の構造を持っている。

二人の距離が狂児のカラオケ上達などの非言語で表現され、映画的で良かった。

主人公の聡実君は何を悩んでいたのか。

一応表向きには声変わりへの嫌悪とされていたが、それだけではない。

むしろもっと大きな、誰にも言えない悩みがあるのではないかと匂わせる演出が物語を牽引していたように感じる。

その解釈はネタバレになるので、コメント欄に。

こうしたテーマを「隠しテーマ」として封じることで、映画のトーンが軽く、見やすく仕上げられている。

サトミくんの抱える悩みは、おそらく性自認に関連している可能性があります。

喉仏を気にするシーンから始まり、そのイメージが続いているような撮り方が多かったようです。

男子友人と女子友人との距離感の違いが思春期の一般的な悩みであれば、それで終わることもありますが、狂児とのカラオケや映画部の友人との暗室での鑑賞など、男二人が密室で過ごす状況が多く描かれていたようです。

また、ポストクレジットで狂児のタトゥーが描かれる場面も、意味深いものかもしれません。

ラストでは完全に騙されました。原作を読んでいないので、狂児が死んだとは疑いませんでした。

この結末によって、サトミくんの大きな爆発には必然性が生まれ、納得のいく結末となりました。”

 

“「カラオケ行こ!」は素晴らしかったですね。主人公の聡実くんが歌う「紅」は、まさに愛の叫びとも言える感動的な鎮魂歌でした。

その歌声には心を震わせるものがありました。

映画鑑賞部の友達が言ったように、「愛は与えるものらしいよ」という言葉が、聡実くんが大切にしてきたソプラノの声を最後に狂児に贈りたいと思った瞬間に深い意味を持っていたことに涙しました。

ガラガラになる声で、最後まで叫ぶような、狂児への愛の表現は感動的でした。ハンカチを握っていてよかったです。

下手な「lemon」も感動的で、一瞬の「白日」が登場するとは予想外でした。

人生はもう戻れない、巻き戻せないビデオテープのようなものだと感じさせられました。

大人にとっての一ヶ月は短いけれど、中学生にとっては長く感じられるもの。

特にしんどい時期は重くつらいものです。

聡実くんが狂児と過ごした二ヶ月弱の期間で、声変わりでしんどい時期を狂児が支えてくれたことが、聡実くんにとっては大きな救いだったことが伝わってきました。

「カラオケ行こ!」を伝えたのは狂児でしたが、聡実くんがそれを返す形で伝えたことが素晴らしかったです。

両者が一緒にカラオケ天国の観音開きの扉を開ける場面が特に印象的で、狂児を救うつもりでいた狂児自体も救われていたと感じられました。

狂児が買ってくれた高価なビデオデッキも、聡実くんが見ていた安価なデッキとの対比が素晴らしかったです。

屋上でのやりとりや刺さった矢を抜かない場面も感動的で、狂児の目に宿る愛情が伝わってきました。

聡実くんの生意気でありながら中学生らしい一面や、歌のリストを作る優しさも全てが愛おしくて心に残ります。

「俺が見えないのかすぐそばにいるのに」という狂児の言葉が、自分のいないところで叫んでくれる本当の愛情を感じさせ、狂児の前で歌わなかった聡実くんが狂児のために歌う場面には感動しました。

初めは土砂降りの中でびしょ濡れの狂児が最後には聡実くんと一緒に晴れた空を見て歩く姿が印象的でした。

最後に阪急百貨店で鮭を買って帰ったのも、愛に満ちた素晴らしい瞬間でした。”

 

“スコア5では全く足りません。

まだ1月にもかかわらず、2024年の最高の映画です。

3日前に初めて鑑賞し、その後すぐにパンフレットの売り場と本屋で続編を電子版で購入し、今日は2回目の鑑賞をしました。

可能な限りまだまだ観たいです。

原作は知っていましたが、読んでいなかったので、映画化してくれてありがとうという気持ちでいっぱいです。

そして、撮影時に声変りしていた齋藤潤くんも奇跡であり、あの魂を捧げてくれた歌にも感謝しています。

 

以下、ネタバレしかない感想。

 

– あらすじを読んでいない人でも、雨でビショ濡れのワイシャツから透ける刺青でヤクザが中学生をカラオケに誘っていると分かる始まりは素晴らしいです。

– リュックを抱えて座る聡実くんは可愛らしいです。

狂児は物理的な距離の詰め方がすごいです。

– あの状況で炒飯を食べる聡実くんは中々面白いです。

店員さんが来た時もそのまま歌っていたのか気になります。

– 校門前で聡実くんに傘を差し出す瞬間が好きです。

ちょっと遠目で見かけて混乱するモブになりたかったです。

– 貰った冊子について何か聞く前に「ありがとう」と言う狂児が好きです。

– 新しい傘が前と変わらなくて、「同じやん」と言う聡実くんが可愛いし、お父さんのしょぼくれ感がすごく好きです。

– 綾野剛が演じる狂児の「紅」に虜になりました。

聡実先生からもらったバイブル通り(?)の笑顔で歌う狂児がツボすぎます。

あの部屋に鏡があるのが秀逸です。

– 別れ際の「おやすみ」の声が優しいです。

「着きました」と返すのも好きです。

発車せずに狂児があの場で待っていたのは?

– ヤクザだらけの部屋で狂児にしがみつく聡実くんは本当に可愛いです。

小声で帰りたいと言うのもハチャメチャで可愛いです。

– 皆さんどうやってあんなに丁度いい具合に面白く歌えるのでしょうか。

笑い堪えられません。

感想を求められて目線ウロウロした聡実くんが狂児を見て、狂児が優しい顔で促すのが好きです。”

 

まとめ

以上、「カラオケ行こ!」のネタバレや感想を紹介しました。

「カラオケ行こ!」は、COMITIA129で頒布された和山の同人作品が原作の映画で、変声期に悩む中学3年生の合唱部部長・岡聡実と、ある事情から歌が上手くなりたいヤクザの青年・成田狂児の友情の物語です。

「カラオケ行こ!」の感想は、絶賛の声が多い印象を受けました。

やはり、俳優のルックスの良さ、渾身の演技、高いストーリー性が高評価に繋がったことでしょう。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

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