映画「帰ってきたヒトラー」ネタバレ・あらすじ！考察と感想

2024年8月6日

映画「帰ってきたヒトラー」は、2015年｜ドイツ｜現代社会に警鐘を鳴らした世界的ベストセラー小説を実写映画化。

現代にタイムスリップしたヒトラーが人気芸人になる姿を描いたコメディです。

そこで今回の記事では、映画「帰ってきたヒトラー」ネタバレ・あらすじ！考察や感想を紹介します。

それでは最後までお読みください(^▽^)/

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映画「帰ってきたヒトラー」解説

ある日、ヒトラーにそっくりの男がとあるディレクターによって見出され、TV出演させられることに。

男は長い沈黙の後、自信に満ちた過激な演説を繰り出し視聴者の度肝を抜く。

その演説は、かつてのヒトラーを模した完成度の高い芸と人々に認識され…。

キャスト

アドルフ・ヒトラー：オリヴァー・マスッチ
ファビアン・ザヴァツキ：ファビアン・ブッシュ
クリストフ・ゼンゼンブリンク：クリストフ・マリア・ヘルプスト
カッチャ・ベリーニ：カッチャ・リーマン
フランツィスカ・クレマイヤー：フランツィスカ・ヴルフ
キオスクの主人：ラース・ルドルフ
ミヒャエル・ケスラー
トマス・ティーマ

スタッフ

監督：ダーヴィト・ヴネント
原作：ティムール・ヴェルメシュ
音楽：エニス・ロトホフ
脚本：ダーヴィト・ヴネント、ミッツィ・マイヤー

映画「帰ってきたヒトラー」ネタバレ・あらすじ

映画「帰ってきたヒトラー」のネタバレを含んだあらすじを紹介します。

アドルフ・ヒトラー

ベルリンの公園に煙と共に突然現れたアドルフ・ヒトラーは、サッカーをしている子供たちに道を尋ねるも、相手にされません。

ブランデンブルク門前では、観光客たちがヒトラーの姿を単なるコスプレと勘違いし、記念写真を撮る始末です。

ヒトラーは瓦礫が撤去されて新しくなったベルリンに驚き、キオスクで新聞を購入し、現在が2014年であることを知り衝撃を受けます。

現代ドイツ

新聞を通じて現代ドイツの状況や政治の不安定さ、ドイツの歴史的な変遷（東西ドイツの分裂と統一）や自分を題材にした映画が作られていることなどを知ります。

キオスクの店主はヒトラーをそっくりさんだと考え、彼の服がガソリン臭いと言って、クリーニングに出すよう勧めます。

特ダネ発掘と旅

一方、あるテレビ局ではベリーニが新局長に選ばれ、ゼンゼンブリンクが副局長に任命され、経費削減のためにザヴァツキが解雇されます。

ザヴァツキは再びテレビ局で働くために特ダネを探していたところ、自分が撮った動画の中にヒトラーらしき人物が映っていることを母親が発見します。

ザヴァツキはヒトラーが現代ドイツの特ダネになると確信し、彼に話を持ちかけます。

ヒトラーとザヴァツキはドイツ全土を旅し、政治や社会問題についてドイツ国民の意見を収集する動画を撮り始めます。

メディア登場と人気

ヒトラーは最初にオバマ大統領のそっくり芸人が出演するバラエティ番組に出演し、現代ドイツ社会の問題点について語り、視聴者の大きな支持を集めます。

その結果、視聴率は急上昇し、ヒトラーは次々と他の番組にも呼ばれるようになり、フェイスブックで親衛隊を募集するまでに至ります。

策略と局の変化

しかし、副局長のゼンゼンブリングはヒトラーの人気を快く思わず、以前ザヴァツキと撮った動画の中から、ヒトラーが犬を射殺してしまったシーンをわざと放送します。

この動画が流れると、動物虐待に対する抗議の電話が殺到し、ヒトラーとその番組は打ち切りとなります。

ベリーニ局長は責任を取って辞任し、ゼンゼンブリングが新局長に就任します。

謝罪と執筆活動

局を追い出されたザヴァツキは、ヒトラーを自宅に招き謝罪します。

ヒトラーはテレビから降ろされたことで時間を有効に使うため、本の執筆を始め、その本は大ヒットします。

ベリーニはその本の映画化を提案し、ザヴァツキが監督を申し出ます。

クライマックス

ヒトラーのいなくなった番組の視聴率が急落し、局の存続が危ぶまれる状況となります。

ザヴァツキはテレビ局の受付嬢の家にヒトラーを紹介しますが、認知症の老女がヒトラーに激昂します。

ヒトラーがイギリスの爆撃から市民を守れなかったことを謝罪すると、老女は収容所のガス室で家族が皆殺しにされたと訴えます。

ディナーはお開きとなります。

最後の対峙

帰りの車中で、ヒトラーが受付嬢にユダヤの血が流れていると語り、違和感を覚えたザヴァツキはヒトラーが初めて現れた公園に足を運びます。

そこには燃えた痕跡が残っており、ヒトラーが本物であることに気づきます。

ザヴァツキはネオナチに襲われたヒトラーの元を訪れ、彼が本物のヒトラーだと叫び、病院スタッフに取り押さえられます。

ヒトラーの運命

物語のクライマックスは、ビルの屋上でヒトラーとザヴァツキが対峙します。

ザヴァツキがヒトラーを撃ちますが、次に振り向くと後ろにまたヒトラーが立っていることに気づきます。

ヒトラーの存在は国民の総意であり、消えることのない存在であると示唆され、物語は幕を閉じます。

映画の撮影のクランクアップの祝杯を挙げる場面で、ヒトラーはザヴァツキがいないことを残念に思います。

ザヴァツキは精神病棟に隔離されている精神異常者として描かれていることが明らかになります。

映画「帰ってきたヒトラー」考察や感想

映画は、ヒトラーが21世紀のベルリンに現れるという非現実的な設定から始まります。この設定自体が、ヒトラーの存在とその思想が現代社会でどのように受け入れられるかを問う一つの手法です。ヒトラーが現代社会の変化や進歩に驚き、適応しようとする過程は、過去の思想や人物が現在の世界でどのように位置付けられるかを考えさせます。

ヒトラーがメディアに登場し、現代の社会問題について語るシーンは、メディアがいかにして思想や意見を形成し、拡散するかを示しています。ヒトラーの発言が人気を集め、メディアの影響力を増す様子は、情報がどのように操作されるか、またプロパガンダがどのように受け入れられるかを考察する機会を提供します。

映画内でのヒトラーの言動が賛否を呼び、彼が現代の社会問題をどのように指摘するかが描かれています。ヒトラーが引き起こす反応や騒動は、彼の思想が現代社会でどのように受け取られるか、またその影響力がどの程度かを探るものです。

ザヴァツキがヒトラーに対して特ダネとして注目し、最終的にはヒトラーが本物であることに気づく場面は、現代社会の道徳や倫理の問題を反映しています。ヒトラーとザヴァツキの関係を通じて、過去の人物が現代に与える影響と、その認識のギャップを示しています。

映画のクライマックスでヒトラーが「消えない存在」として描かれる場面は、彼の思想や影響力が単なる個人の枠を超えて社会全体に根付いていることを示唆しています。ヒトラーの存在が単なる一時的なものでなく、社会の一部として存在し続けるというメッセージが込められています。