映画「告白 コンフェッション」ネタバレ・あらすじ!考察や感想も紹介

映画「告白 コンフェッション」は、「賭博黙示録カイジ」や「アカギ」など、ギャンブル漫画の第一人者として知られる福本伸行が原作を担当し、「沈黙の艦隊」や「空母いぶき」などで自衛官たちの壮大なドラマを描いてきたかわぐちかいじが作画を手がける漫画を、「リンダリンダリンダ」や「カラオケ行こ!」など、オフビートな青春映画で知られる山下敦弘監督が実写映画化することになりました。

今回は、映画「告白 コンフェッション」のあらすじやネタバレ考察をしていきます。

 

目次

映画「告白 コンフェッション」はどんなストーリー?

大学山岳部のOBである2人が、ある「告白」により山小屋で気まずい夜を過ごし、親友ながらも一線を越える瞬間を、圧倒的なスリルとスピード感で描いた絶対的な密室サスペンスです。

これまでサスペンス作品を手掛けてこなかった山下監督が、本来好んでいる心理戦をテーマに、じっくりと時間をかけて製作しました。

原作の笑いとアクションを取り入れつつ、狂気が爆発する展開で、あっという間に引き込まれる映画体験を提供します。

主演には、「土竜の唄」でコメディの才能を見せつつ、「渇水」ではシリアスで繊細な役を演じた生田斗真と、「息もできない」で暴力と優しさを併せ持ち、「あゝ荒野」では純朴ながらも闘志を露わにするボクサーを熱演したヤン・イクチュンが抜擢されました。

二人の掛け合いが生み出す化学反応が、物語にどのような凶暴性と狂気、そしてそれを超えたユーモアをもたらすのか注目されます。

さらに、物語の鍵を握るヒロイン役として、「スイートマイホーム」や「#マンホール」に出演した奈緒が登場。

狂気が渦巻く本作に、清涼剤としての役割を果たします。

想像を超える極限のワンナイトサバイバルが、ついに幕を開けます。

 

映画「告白 コンフェッション」のあらすじ

大学山岳部のOBであり親友の浅井(生田斗真)とジヨン(ヤン・イクチュン)は、16年前に事故死した同級生・西田さゆり(奈緒)の慰霊登山中、猛吹雪に見舞われ遭難してしまいます。

死を覚悟したジヨンは、16年前にさゆりを殺害したのは自分だと浅井に‘告白’し、長年抱えていた罪の告白により心の重荷を降ろし、死を受け入れたジヨンでしたが、その直後に目の前に山小屋が現れ、二人は命を取り留めます。

暗い山小屋の中で、救助隊を待つ二人。

浅井はジヨンの様子がどこかおかしいことに気づくのです。

非常に異様で“気まずい”空気が漂う山小屋内。

そして、ジヨンの行動は次第に常軌を逸し始め、狂気を帯びていきます。

 

映画「告白 コンフェッション」の登場人物

浅井啓介(生田斗真)

大企業に勤務しており、社交的で信頼される人物ですが、本音を打ち明けられる相手はあまりいません。大学時代には山岳部に所属しており、そこでジヨンとさゆりと親しくなりました。さゆりとはかつて恋人関係にありました。順風満帆な人生を送っているように見えますが、さゆりの死後、空虚感を抱えながら生きています。

 

リュウ・ジヨン(ヤン・イクチュン)

韓国の大学を卒業後、日本の大学に留学しました。初めは日本に馴染めなかったものの、山岳部で浅井とさゆりに出会い、次第に打ち解けていきまます。そして、次第にさゆりに恋心を抱くようになりましたが、さゆりに拒絶された末に彼女を殺害し、その後、心を蝕まれながら韓国に戻って生きる気力を失っていました。

 

西田さゆり(奈緒)

浅井やジヨンと同じ大学の山岳部に所属していた女性で、2人の共通の知人でした。登山中に山岳部のメンバーとともに遭難し、行方不明となりました。その後、彼女の遺体は見つかっていません。

 

映画「告白 コンフェッション」のネタバレ考察

浅井のかつての恋人で、ジヨンが思いを寄せていた相手であるさゆり。

彼女が遭難して亡くなったことがきっかけで始まった慰霊登山を、二人は続けています。

互いに忘れがたい相手を悼むために始めた恒例行事が、ジヨンの告白によって壮絶な一夜に変わるとは、二人は予想していなかったでしょう。

物語は、吹雪による遭難と大怪我のため、「もう先はないだろうから伝えておく」というジヨンが、「さゆりを殺してしまった」と告白したことから展開していきます。

ただ、なぜ浅井はジヨンを助けたのかが疑問です。

それは、ジヨンが長い間誰にも言えずに背負っていた罪を、親友である自分に打ち明けたこと、そして「誰にも言えなかったこと」という苦しみを抱えていたことへの同情から、彼を許し共に救助を待つ気持ちがあったのではないでしょうか。

しかし、もし私が浅井の立場だったら、かつての恋人であろうと人を殺すのは許されない行為であり、そのまま凍えて野垂れ死ぬように放置しただろう。

そうすることで私も罪に問われるかもしれないが、それは自業自得だと思う。

後で罪に問われても、雪山遭難という状況なら何とでも言い逃れができるだろうと考える。

一体私とジヨンのどちらが非道か分からないが、私ならそうするのに、なぜ浅井は助けたのだろうか。

この浅はかな優しさが後に大きな災いを引き起こすことになるのは、少し後の話です。

物語は次第に不穏な雰囲気を醸し出していきます。

足を怪我して動けないジヨンを介抱しようと、浅井は薪で火をおこしたり、雪を溶かしてお湯を用意したり、玉ねぎを使ってスープを作ります。

ジヨンのために尽くす一方で、なぜか彼は浅井のために行動しようとしません。

携帯電話を貸してほしいと頼んでも「持っていない」と言いますが、実際は持っていました。

玉ねぎを切るための包丁が見当たらないと言いますが、実際は包丁を隠し持っていました。

ジヨンは浅井にとって都合の悪い行動を取り続けます。

この状況から、浅井は一つの疑念を抱くようになりました。

ジヨンが知らない方がよかったことを口にしたことで、彼は自分自身が知ってしまったことを彼に殺害されるつもりなのではないかと心配するようになります。

浅井は疑心暗鬼になり、ジヨンの不穏な行動に怯える一方で、ジヨンは浅井が「罪の告白」を聞いた後の彼の過剰な優しさに疑問を抱き始めます。

なぜ彼は「かつての恋人」が親友に殺されたことを知っていながら、「聞かなかったことにする」と言えるのか、と。

せめて自首を勧めるとか、もっと詳しい事情を聞くとか、ジヨンを責めるような態度をとっても不思議ではありません。

何なら、浅井がジヨンを処分してもおかしくはありません。

しかし、彼は自分を助けたのです。

ジヨンもまた疑心暗鬼、いや自暴自棄とも言えるような表情を見せ始めます。

逆にジヨンは浅井に「お前も告白しろ」と迫っていきます。

この閉じ込められた空間で、互いが安全を確保するためなら、その手段も悪くない。

どちらも悪いのだから手を出すことはないだろう、そんな感覚でしょうか。

それに対し浅井は「何も告白することはない」と一貫して拒絶します。

徐々に狂気を帯びていくジヨンは、とうとう浅井を殺そうと行動に移していくのです。

ここからは、狭い空間での追いかけっこや攻撃、防御が展開されます。

避難部屋にはトイレ、物置、キッチン、そして2階の荷物置き場の4つの部屋があり、1階の物置と2階の置き場には梯子が設置されています。

この空間を駆使して、どんな攻防戦が展開されるかが、本作の見どころです。

実際、ジヨンは足を怪我しているので動きが鈍くなっていますが、包丁を持っています。

一方、浅井は怪我もなく身軽に動けますが、高山病を発症する可能性があり、視界が霞んでしまうという弱点があります。

このように設定されたウィークポイントにより、狭い空間での攻防戦が必死に繰り広げられます。

そのため、部屋に隠れても視界が霞んで見えるため、ジヨンがすぐ近くに潜んでいても気づかないのです。

ジヨンは物音さえ立てなければいつでも浅井を仕留めることができます。

しかし、浅井の視界がいつも霞んでいるわけではないため、やや有利な状況にあります。

それでも、少しずつダメージを与えていき、ジヨンが武器を持っていることもあり、浅井も気を抜けばやられてしまう可能性があるという構図になっています。

 

映画「告白 コンフェッション」の感想

映画「告白 コンフェッション」は、かつての恋人を巡る複雑な感情が絡み合う中で展開する、心理サスペンスとサバイバルの要素を持つ作品です。特に、物語が進むにつれて浮かび上がるキャラクターの内面の葛藤や、予想外の展開が見どころです。

物語の展開とキャラクター

まず、主人公たちの関係性が物語の核となっています。浅井とジヨンが互いに忘れがたい相手を悼むために続けてきた慰霊登山。しかし、ジヨンの告白によって、この静かな儀式は一変します。ジヨンが「さゆりを殺してしまった」と告白したことで、物語は一気にサスペンスフルな展開を迎えます。

浅井の選択とその理由

浅井がジヨンを助けた理由には深い共感と同情があったと考えられます。長い間誰にも言えずに背負ってきた罪を、親友である自分に打ち明けたことに対する感情。そして、ジヨンが抱えていた苦しみを理解し、共に救助を待つことを選んだ浅井の行動には、人間の複雑な心理が垣間見えます。

しかし、この行動は一方で非常にリスクの高いものであり、私自身が浅井の立場であれば、ジヨンを許すことはできなかったかもしれません。かつての恋人であろうと、人を殺す行為は許されないため、ジヨンをそのまま凍えて死ぬように放置する選択をしていたかもしれません。そうした行動が後に大きな災いを引き起こすことになるのも、物語の不穏な雰囲気を増幅させています。

サバイバルと心理戦

ジヨンの告白後、二人の間に生じる疑心暗鬼が、物語の緊張感を一層高めています。足を怪我して動けないジヨンに尽くす浅井の姿が描かれますが、その一方で、ジヨンは浅井に対して不信感を抱き、都合の悪い行動を取ります。携帯電話や包丁を隠し持つジヨンの行動から、浅井は次第に恐怖と疑念に囚われていきます。

物語が進むにつれ、浅井とジヨンの間の緊張感はますます高まり、最終的にジヨンが浅井を殺そうと行動に移すところまで至ります。狭い避難部屋で繰り広げられる追いかけっこや攻防戦は、視覚的にも心理的にもスリリングで、観客を引き込む要素となっています。

 

まとめ

出典:告白 コンフェッション公式サイト>>

以上、映画「告白 コンフェッション」のあらすじやネタバレ考察しました。

いかがでしたでしょうか?

尺の短い70分の中で、同じ回想が幾度か挟まれながらも、しっかりと狂気が滲み出る構成が描かれています。

狭い空間を活かした話の展開や、お互いにハンディを持ち込むことで終わらない攻防戦へと展開していく様子も描かれています。

そして、それだけでは終わらないオチもあり、かなりボリュームのある物語です。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

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