映画「大阪カジノ」は、実際にあった出来事に基づくストーリーで、逆境にも負けずにカジノ王になる夢を追い求める男の人間ドラマ。
監督は、大阪を舞台にした『大阪外道 OSAKA VIOLENCE』(2012)、『コントロール・オブ・バイオレンス』(2015)など過激な映画で知られる石原貴洋氏。
主演は、石原監督作品で活躍してきた木原勝利氏が務めます。
本記事では、大阪カジノのネタバレ考察などを解説していきます。
大阪カジノのあらすじ
出典:http://www.nanagei.com/mv/mv_n1780.html
保険の営業をしている杉村(木原勝利)は、父親の経営するパチンコ店が倒産寸前であることを知り、店を立て直すことを決意します。
しかし、膨大な請求書に頭を抱え、銀行からの融資も得られず、困難な状況に直面しながらも、決して折れずに立ち向かっていく姿が描かれます。
杉村の情熱に感銘を受けた垣内は、彼の右腕として協力し、経営を支えます。
そして、奇跡的にパチンコ店を再建した杉村は、新たなビジネスアイデアを展開し、事業を成功させるために動き出します。
妻は、杉村の「カジノ王になる」という夢を理解しつつも支える存在として描かれます。
果たして、杉村の夢はどこに向かうのでしょうか…
大阪カジノの見どころ
石原は、バイオレンス映画で知られる一方で、心温まるヒューマンドラマを手がけました。
木原は、殺し屋役を演じてきた経験を生かし、実在の経営者Hを演じ、喜怒哀楽を表現し、新たな表現に挑戦しました。
撮影前に木原は、モデルとなる経営者Hと会い、その話を聞いたところ、背筋が凍るような体験をしたと言います。
経営者Hは、父親から会社を引き継いだ際には、倒産寸前であり、会社の資産は差し押さえられ、銀行からの融資もなく、業者からのクレームも相次ぎ、従業員も顧客も少なく、絶望的な状況にあったといいます。
しかし、彼は毎日泣きながらも働き続けました。物語は、そんな地獄の中から始まります。
映画は、彼がどのように会社を再建し、人々を大切にしたか、そしてどのように救いが訪れたかを描きます。
そして、会社を再建した後、主人公の経営者Hがどのような行動をとったのかが物語の展開の一部です。
大阪カジノのネタバレ考察
夢は叶えられるか?
「あなたの夢は何ですか?」と聞かれると、ためらうことなく答えますでしょうか?
夢を口にすることに恥ずかしさがあるかもしれません。
しかし、夢が叶わないという現実に直面しても、それを追求することをやめることはありません。
杉村のように、自分の夢を率直に語ることが大切だというメッセージが込められています。
そしてそのような風潮の中で、夢を語る人に対する嘲笑も広がっています。
しかし、その中で、本作の主人公である杉村は自らの夢を率直に語り続けます。
しかし、その道は容易ではありません。
彼は覚悟を決め、倒産寸前の父親のパチンコ店を継ぐことを決意します。
膨大な請求書に頭を抱え、お金を借りることもできず、多くの困難に直面しながらも、彼は諦めることなく前に進み、コツコツと実績を積み重ねました。
その過程は決して容易なものではありませんでした。
妻と子供の支えがあったからこそ
杉村が乗り越えたのは、妻と子供たちが彼を支え続けたからでしょう。
彼らの存在が、彼の力になりました。杉村が絶望の淵に立つ中で、妻は彼の決断を受け入れ、夢が叶わなければ諦める覚悟で貯金を使うことも了承しました。
妻は杉村の夢を信じ、彼を支える道を選びました。
その真摯な信頼が、杉村が困難に立ち向かい続ける原動力となりました。
彼の成功は、家族全員が杉村を信じ、その信頼に応えようと努力した結果なのです。
子供たちも杉村が店に泊まり込んで働く彼に弁当を届けます。
疲れ果てた父を見て心配し、父と過ごせない寂しさも感じていたでしょう。
しかし、子供たちはそれでも父を支えることを選びました。
パチンコ店の立て直し
さらに杉村を支えたのは、垣内の存在でした。
垣内は、仕事に対するやる気を失っていたが、杉村の決断に触発され、彼に付き合うことを決意します。
杉村がパチンコ店の再建に成功し、その後も事業を拡大する中で変わらず杉村の右腕として支え続けたのは垣内でした。
彼が杉村についていけたのは、杉村が初心を忘れず、失敗を恐れずに前進する姿勢に魅了されたからでしょう。
杉村の人柄
この作品では、杉村が父親のパチンコ店を再建し、さらに事業を拡大する過程が段階的に描かれます。
成功すると、人は金銭感覚や部下への態度が変わることがありますが、杉村は変わりません。
彼は質素な生活を送り、成功をお客様のおかげだという姿勢を貫きます。
杉村はクレームにも真摯に対応し、頭を下げることをためらいません。
部下にも真っ直ぐで、妥協しません。
彼の芯の強さと、失敗を恐れずにリスクを冒す姿勢は、どこか魅力的で、彼についていきたくなる気持ちもわかります。
杉村のキャラクターは、綿密なインタビューを元に描かれており、そのリアルさには説得力があります。
彼の人間味あふれる姿勢は、ただの理想論ではなく、リアリティがあるからこそ、冷笑されることなく響くのです。
黒幕の意味深な問い
経営方針として「お客様第一主義」と「人を稼ぐ」という独自の理念を貫きます。
さらに、温泉旅行などの提案を行い、成長を遂げた後は30億円の融資に挑戦します。
大手銀行の役員会議では、黒幕(フィクサー)が登場し、役員に対して将来の展望を語るよう迫ります。
しかし、役員たちは戸惑い、中には眉をひそめる者もいます。
黒幕は言います、「一億でも十億でも百億でも、手にしたお金をどう使うか、具体的に考えたことがある者はいますか?誰か、私に披露してみてください。」役員一同、沈黙します。
黒幕は続けます。
「誰もいないようですね。しかし、杉村さんは私にはっきりと展望を語りました。不意打ちの質問にも、堂々と答えました。」役員一同、恥ずかしそうな顔をします。
黒幕は言いました。
「彼のような人物こそが本物だ!実力のある彼は誰よりも謙虚であり、誰よりもお客様を考えています。自己保身しか考えていない君たちとは大きな違いがあります。彼から人生を学ぶべきです。疑うのであれば、彼と面談すればいい。彼は目先の利益だけを追求する人ではありません!彼こそが本物です。」
石原監督のコメント
近年の日本映画は非常に個人的な内面的な映画が増えすぎていると感じていました。
時代に逆行してでも大きな野望を持った男の話をやりたい、目標が目的がハッキリと明確にある強いキャラクターを生み出したい、という願望が数年前からありました。
そんな時に大きな野望を持って生きてきたモデルとなる経営者さんと出会ったので一気に映画化へと動き出しました。
大阪映画として思うもの全てを入れました。石原映画印ともいえるアウトロー的な怖い人が登場したり、その真逆の存在である純粋な子供が登場したり、温かい食卓のシーンがあったりと、てんこ盛りです。
そのボリューム感を楽しんで頂けたらと思います。
まとめ
以上、大阪カジノのネタバレ考察などを解説しました。
いかがでしたでしょうか?
実在の人物をモデルに、カジノ王を夢見る男を描く映画『大阪カジノ』。
ドキュメンタリーのような要素を含みつつも、本作は石原貴洋監督らしいアウトローな男たちのドラマを描きます。
大阪を舞台に、容赦ない現実もリアルに描写されます。
さらに、アウトローな男たちの活躍や家族の絆、お客様との絆など、感動的な要素も含んだ深みのあるドラマになっています。
ぜひ、ご覧ください。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
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