映画「ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~」は、2017年日本映画|歴史の闇に消えた幻のフルコース・大日本帝国食菜全席をめぐる感動作です。
世界を料理で変えようとした料理人が自らの命を懸けてレシピに隠した秘密とは…?
そこで今回の記事では、映画「ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~」ネタバレ・あらすじ!ラストシーンの意味と考察や感想を紹介します。
それでは最後までお読みください(^▽^)/
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映画「ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~」解説
激動の1930年代、満州に渡った天皇の料理番・山形直太朗が考案した究極の美味112品による大日本帝国食菜全席。
そのレシピは消息を絶った山形と共に散逸していた。絶対味覚=“麒麟の舌”を持つ料理人・佐々木充は、メニューの完全再現に挑むことになり…。
キャスト
- 佐々木充:二宮和也
- 山形直太朗:西島秀俊
- 柳沢健:綾野剛
- 山形千鶴:宮崎あおい
- 鎌田正太郎:西畑大吾
- 三宅太蔵:竹野内豊
- 鈴木太一:大地康雄
- 鎌田正太郎:伊川東吾
- 楊晴明:笈田ヨシ
スタッフ
- 監督:滝田洋二郎
- 原作:田中経一
- 音楽:菅野祐悟
- 脚本:林民夫
映画「ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~」ネタバレ・あらすじ
映画「ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~」のネタバレを含んだあらすじを紹介します。
天才料理人
天才料理人・佐々木充は、口にしたもの全ての味を記憶し再現できる絶対味覚「麒麟の舌」を持っています。
彼は依頼人が人生の最後に食べたい料理を再現する「最期の料理人」として高額な報酬を得ており、全国を飛び回る日々を送っています。
幼少期に両親を亡くした充は、施設で育った柳沢健と共に自分の店を持つことを夢見ていました。
しかし、完璧主義で他人に厳しい彼のやり方にスタッフも客もついて行けず、店は閉店し多額の借金だけが残りました。
充は他人を信じることができず、育ててくれた施設の園長の葬式にも顔を出さない冷徹な人間になっていました。
謎のレシピ
ある日、充のもとに中国料理界の重鎮・楊晴明から依頼が舞い込みます。
それは、かつて中国北部に存在した満州国で日本人料理人が考案した伝説のフルコース「大日本帝国食菜全席」の再現です。
そのレシピを考案したのは山形直太朗という料理人で、彼もまた充と同じ絶対味覚を持っていました。
しかし、太平洋戦争の開戦直前に山形は消息を絶ち、レシピも行方不明となってしまったのです。
充はこの謎を解くために山形の足跡を追うことになります。
大日本帝国食菜全席
1930年代、宮内庁大膳課で天皇の料理番として務めていた山形直太朗は、日本軍の三宅大佐から「大日本帝国食菜全席」のレシピ開発を命じられ、妻の千鶴と共に満州国へ向かいます。
山形は中国人の楊と日本人の鎌田という二人の助手を与えられ、満州国の日本軍食堂の奥でレシピの開発に取り組むことになります。
山形の任務は、天皇陛下が満州国を訪問した際に「大日本帝国食菜全席」を振る舞い、日本の威信を示すことが目的でした。
しかし、実はもう一つの隠された目的がありました。
それは、満州国の独立を阻止するために天皇陛下に振る舞う料理に毒を盛り、中国人助手の楊をその犯人に仕立て上げるというものです。
日本軍は毒味役がいるため天皇に危害が及ぶことはなく、中国人が毒を盛ったという事実を作り出すことで、中国人を貶める企みでした。
助手の鎌田は山形の見張り役であり、この企みを知った山形は楊を助けるために彼をスパイの疑いで追い出します。
山形の意志
いよいよ完成したレシピのお披露目の日、山形は完成したレシピに火をつけて燃やしてしまいます。
その結果、山形は三宅大佐の怒りを買い、銃殺されてしまいました。
山形が燃やしたレシピの一部は、千鶴が書き損じたものを基にして作られ、山形が懇意にしていたロシア人ホテル支配人に預けられていました。
終戦後、楊は山形の一人娘・幸を探し出し、支配人から預かったレシピを返します。
この楊晴明こそが山形の中国人助手であり、彼は戦後も山形の意志を継いでいたのです。
結末
幸は日本軍の厨房で働いていた鈴木に育てられ、成長して料理人の夫と死別した後、一人息子・充と共に暮らしていました。
幸は山形のレシピを再現する店を開店しますが、店の開店初日に隣の店から出火し、レシピを取りに戻った幸は焼死してしまいます。
充はその後、鈴木の息子の施設に引き取られ、育てられました。
充にレシピの行方を探させたのは、柳沢たちの一計であり、レシピに込められた思いを充に受け継がせるためでした。
レシピの最後のページには、充の好物であるカツサンドが母・幸の手で加えられており、充はその思いに触れて涙を流します。
彼はレシピを通じて家族の絆と料理の本質を再認識し、心を開いていくのでした。
映画「ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~」ラストシーンの意味と考察や感想
ラストシーンでは、充が母・幸の手書きによるカツサンドのレシピに触れ、涙を流します。
これは、彼が母親の愛情を感じ、家族の絆を再確認する瞬間です。
充は、これまで料理の技術にばかり目を向けていましたが、このレシピを通じて料理に込められた心や思いの重要性に気付かされます。
映画全体を通じて描かれるテーマの一つは、料理が単なる技術ではなく、心と心を繋ぐものだということです。
山形直太朗のレシピは単なる料理法ではなく、彼の情熱や思いが詰まったものでした。
そして、そのレシピが戦争の混乱や個々の人生の悲劇を超えて、最終的に充にまで伝わったことが示されています。
充が母のカツサンドのレシピに触れることで、彼は料理の本当の意味、つまり人々の心を繋ぎ、思いを伝える手段としての料理を再認識します。
充は過去に両親を亡くし、多くの人々と距離を置いて生きてきました。
しかし、母親の遺したレシピに触れることで、彼は自分のルーツと向き合い、過去と和解することができます。
この瞬間、彼は自分自身を許し、新たな一歩を踏み出す決意を固めます。
考察
映画では、充と山形直太朗が持つ「麒麟の舌」という絶対味覚が重要な役割を果たします。
しかし、最終的に示されるのは、その能力だけでは完璧な料理は作れないということです。
料理には、作り手の思いや情熱が込められてこそ、本当に心に響くものとなります。
ラストシーンで充が涙を流すのは、彼が単に味覚の天才であるだけでなく、人間としての感情を再発見し、料理に対する新たな理解を得たからです。
「ラストレシピ」は、個人の物語と歴史的背景が巧妙に交錯する作品です。
満州国の背景、戦争の混乱、そして個々のキャラクターの人生が一つのレシピを通じて繋がりを持ちます。
ラストシーンは、この複雑な歴史の一部が個人の生活や感情にどのように影響を与え、最終的に新しい世代にどのように受け継がれるのかを象徴的に描いています。
最後に、映画はレシピという形で普遍的な価値を伝えています。
料理は時代や国境を超え、人々を繋ぎ、思いを伝える手段です。
充が母親のレシピに触れるシーンは、料理が持つその普遍的な力を強調しており、観客にとっても心に残るメッセージとなっています。
感想
映画「ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~」を鑑賞して、私は深く感動し、多くのことを考えさせられました。
この作品は単なる料理映画にとどまらず、家族の絆や人間の感情、歴史的背景といった多層的なテーマを描いており、その全てが見事に絡み合っています。
まず、主人公の佐々木充のキャラクターに強く惹かれました。
彼の持つ「麒麟の舌」という絶対味覚の能力は、驚異的でありながらも、それが彼の人生に与える影響の大きさに心を打たれました。
幼い頃に両親を亡くし、孤独の中で育った充は、完璧を追求するあまり人間関係を犠牲にしてしまいます。
しかし、母親のレシピに触れることで、彼が再び人間らしい感情を取り戻し、過去と和解する姿は感動的でした。
映画全体を通じて描かれる料理のシーンは、美しく、繊細で、まるで一品一品が芸術作品のようでした。
特に、「大日本帝国食菜全席」の再現に向けた充の試行錯誤のシーンは、料理に対する情熱と執念を感じさせ、観る者の心を揺さぶります。
また、料理に込められた人々の思いや歴史的背景が一つのレシピに凝縮されていることに気づかされ、料理が単なる食事ではなく、文化や歴史を伝える手段であることを再認識しました。
一方で、満州国の歴史的背景や戦争の混乱が作品に深みを与えていると感じました。
山形直太朗の物語は、日本の戦時下の悲劇を描いており、その中で彼が料理を通じて何を伝えたかったのかを考えると胸が締め付けられます。
彼の人生とその後に続く充の物語が交錯することで、過去と現在が繋がり、一つの大きな物語として完結する構成は見事でした。
ラストシーンで充が母親の手書きのカツサンドのレシピに触れ、涙を流す場面は、この映画のクライマックスであり、最も感動的なシーンでした。
母親の愛情が込められたそのレシピを通じて、充が自分のルーツと向き合い、過去と和解する姿は、家族の絆や愛情の大切さを強く訴えかけており、私の心に深く響きました。
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まとめ
今回の記事では、映画「ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~」ネタバレを解説しました。
映画「ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~」は、2017年日本映画|歴史の闇に消えた幻のフルコース・大日本帝国食菜全席をめぐる感動作です。
世界を料理で変えようとした料理人が自らの命を懸けてレシピに隠した秘密とは…?
それでは最後までお読みいただきありがとうございました^^
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