映画「トゥモロー・ワールド」は、2006年|アメリカ・「ゼロ・グラビティ」のアルフォンソ・キュアロン監督が手掛けたSFアクションです。
8分間以上のワンショット撮影などが評価され、ヴェネチア映画祭オゼッラ賞(技術貢献賞)を受賞しています。
そこで今回の記事では、映画「トゥモロー・ワールド」ネタバレ・あらすじ!ラストシーンの意味と考察や感想を紹介します。
それでは最後までお読みください(^▽^)/
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映画「トゥモロー・ワールド」解説
人類が繁殖能力を失った西暦2027年。
エネルギー省の官僚・セオは、元妻のジュリアン率いる地下組織・FISHに拉致される。
彼らの目的は政府の検問を通過できる通行証。
迷いながらも協力を決心したセオは、人類存亡の鍵をめぐる争いに巻き込まれていく。
キャスト
- セオ・ファロン:クライヴ・オーウェン
- ジュリアン・テイラー:ジュリアン・ムーア
- ジャスパー・パルマー:マイケル・ケイン
- ルーク:キウェテル・イジョフォー
- パトリック:チャーリー・ハナム
- キー:クレア=ホープ・アシティ
- ミリアム:パム・フェリス
- ナイジェル:ダニー・ヒューストン
- シド:ピーター・ミュラン
スタッフ
- 監督:アルフォンソ・キュアロン
- 原作:P・D・ジェームズ
- 音楽:ジョン・タヴナー
- 脚本:アルフォンソ・キュアロン、ティモシー・J・セクストン
映画「トゥモロー・ワールド」ネタバレ・あらすじ
映画「トゥモロー・ワールド」のネタバレを含んだあらすじを紹介します。
2027年11月
世界最年少の青年が18歳4ヶ月で殺害されたニュースが広まり、世界中が絶望に包まれました。
2008年にインフルエンザが世界中で大流行し、子供の大半が亡くなり、その後は妊娠しても流産するケースが増え、2009年には出生率が0%になってしまいました。
この状況により、世界は希望を失い、内戦やテロが頻発し、多くの国が崩壊しましたが、イギリスは辛うじて秩序を保っており、不法移民が殺到していました。
通行証
エネルギー省に勤めるセオ・ファロンは、ある日、爆弾テロに巻き込まれそうになります。
翌朝、セオは出勤途中に車に拉致されます。
彼を拉致したのは反政府組織『フィッシュ』で、そのリーダーはセオの元妻ジュリアンでした。
セオも以前は活動家でしたが、息子ディランがインフルエンザで亡くなったことでジュリアンと離婚し、活動からも離れていました。
ジュリアンはセオに通行証の手配を頼み、セオは一度は断るものの、文化大臣の従兄弟を訪れ、通行証を手配します。
妊娠8ヶ月
通行証を手にしたセオが乗り込んだ車には、ジュリアン、フィッシュの副リーダー・ルーク、元助産師ミリアム、そして20歳の女性キーが同乗していました。
しかし、検問所近くで暴徒に襲撃され、ジュリアンが銃弾を受けて命を落とします。
ルークは暴徒鎮圧に来た警察官を射殺し、警察の追跡を振り切り、車はフィッシュのアジトである農場に逃げ込みます。
キーはセオを納屋に呼び出し、自分が妊娠8ヶ月であることを告白します。
ジュリアンは何かあった時はセオに全てを任せるよう指示していたのです。
ヒューマン・プロジェクト
ジュリアンはキーを『ヒューマン・プロジェクト』の船トゥモロー号に乗せるつもりでした。
このプロジェクトは人類の未来のために活動する国際組織とされますが、その実態は不明でした。
ジュリアンの死後、フィッシュ内部でキーの処遇について対立が生じます。
キーが不法移民であるため、出産が政府に知られると赤ん坊が取り上げられる危険があるのです。
セオはジュリアンの殺害がルークの仕業であり、ルークがキーの赤ん坊を政治目的に利用しようとしていることを知ります。
産気
セオはキーとミリアムを連れてフィッシュから脱出し、旧友ジャスパーの家に避難します。
ジャスパーは警官シドに逮捕させ、収容所からトゥモロー号の合流地点を目指す計画を立てます。
しかし、ジャスパーの家にフィッシュのメンバーが襲撃し、ジャスパーは命を落とします。
セオとキーはシドに無事会い、収容所行きのバスに乗り込みますが、バス内でキーが産気づきます。
途中の検問でミリアムが騒ぎを起こしてバスから降ろされますが、セオとキーは収容所に入ることができました。
トゥモロー号
収容所でキーは無事女児を出産し、セオが取り上げます。
翌朝、フィッシュが収容所に乗り込み、軍隊と激しい銃撃戦が始まります。
セオはキーを連れて逃げる途中、フィッシュのメンバーに捕まりますが、隙を見て逃げ出し、赤ん坊の泣き声を頼りにキーを見つけ出します。
赤ん坊を見た人々は驚き、敵味方も戦闘を止め、セオとキーを通します。
マリカの手配したボートに乗り、濃霧の海へと漕ぎ出しますが、銃撃戦で被弾していたセオはキーに「何があっても赤ん坊を守れ」と言い残し、息を引き取ります。
やがて、トゥモロー号が濃霧の中から現れました。
映画「トゥモロー・ワールド」ラストシーンの意味と考察や感想
キーの赤ちゃんが生まれたこと自体が人類の再生の象徴です。
長らく妊娠や出産が不可能だった世界において、赤ん坊の誕生は未来への希望を示しています。
ラストシーンでトゥモロー号が現れることで、この希望が現実のものとなる可能性が示唆されています。
赤ん坊の存在を目の当たりにした収容所の人々が一瞬戦闘をやめて道を譲るシーンは、人類の連帯と共感の力を表しています。
どんなに絶望的な状況でも、人間性が残っていることを示しており、未来に対する希望を強調しています。
セオの犠牲はキーと赤ん坊を救うためのものであり、彼の死は人類の未来のための献身を象徴しています。
セオの最期の言葉と行動は、個人の自己犠牲が大きな変革をもたらす可能性を示唆しています。
映画全体を通じて描かれるディストピア的な世界観と、ラストシーンで示される一筋の希望は、強烈な対比をなしています。
この対比により、希望の重要性とその脆さが強調されています。
映画は、人類の未来に対する深い問いかけを行っています。
ラストシーンの赤ん坊は希望の象徴であると同時に、人類が新たな道を切り開くための挑戦の象徴でもあります。
未来を切り開くためには何が必要か、という問いを観客に投げかけています。
キーの赤ちゃんの誕生はキリスト教の救世主誕生のメタファーと解釈することもできます。
絶望の中での希望の誕生は、新しい時代の幕開けを暗示しており、哲学的・宗教的な深みを持っています。
感想
ラストシーンでキーが赤ちゃんを出産するシーンは、非常に感動的でした。
この世界では長らく子供が生まれないことが続いており、その中で生まれた赤ちゃんはまさに希望の象徴です。
収容所内で赤ちゃんの泣き声が響くと、敵味方関係なく銃撃戦が止まり、人々がその生命の奇跡に驚嘆するシーンは、どんな絶望的な状況でも人間の中に残る共感と希望を感じさせました。
この映画全体がディストピア的な世界観を描いている中で、ラストシーンの希望の光は非常に強烈でした。
絶望の中でも希望を見出すことの大切さ、人間が持つ底力と可能性を強く感じました。
トゥモロー号が霧の中から現れるシーンは、新しい時代の幕開けを象徴しており、観終わった後にも深い余韻が残りました。
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まとめ
今回の記事では、映画「トゥモロー・ワールド」ネタバレを解説しました。
映画「トゥモロー・ワールド」は、2006年|アメリカ・「ゼロ・グラビティ」のアルフォンソ・キュアロン監督が手掛けたSFアクションです。
8分間以上のワンショット撮影などが評価され、ヴェネチア映画祭オゼッラ賞(技術貢献賞)を受賞しています。
それでは最後までお読みいただきありがとうございました^^
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