2024年3月に公開された映画『52ヘルツのクジラたち』は、三島貴瑚役を杉咲花さん、岡田安吾役を志尊淳さんが演じ、感動的なストーリーで視聴者の心を温めます。
日々の悲しい出来事に包まれた現代社会において、この作品は心の支えとなるでしょう。
タイトルの意味は、結末まであらすじを読んでいただければ理解できます。
是非、この温かい映画を楽しんでください。
本記事では映画『52ヘルツのクジラたち』のあらすじネタバレ、感想までご紹介します!
まだご覧になられていない方は、ネタバレを含みますので一度ご覧になってから読むことをおすすめします。
52ヘルツのクジラたちのあらすじ
東京から大分の海辺の町に移住した三島貴湖は、小さな町で噂話が絶えず、見知らぬ住民からの小言に悩まされました。
しかし、そんな中で大工の村中の同級生・琴美の息子と出会います。
自分と少年の過去の苦しみを重ね合わせ、彼が安心して生活できる場所を見つけるため、貴湖は過去の経験を共有し、友人の美晴とともに少年を支えます。
過去の母親に対する切実な願い、受け入れられなかった孤独な時期に出会った安吾と美晴。
そして、新しい場所ですら破壊してしまった主税との複雑な関係。
孤独で寂しい時間を送ってきた貴湖の人生に、それぞれの優しさが染み渡ります。
新たな知り合いである貴湖との出会いにより、愛と希望の光が心に差し込みます。
誰にも届かないと思われた時、奇跡が起こるー。
52ヘルツのクジラとは?
通常、クジラは10~39ヘルツの音で仲間とコミュニケーションを取りますが、米国の西海岸に生息する一頭のクジラは異例の52ヘルツの音で歌い続けています。
この個体は1980年代から定期的に検出されており、その独特な鳴き声は他のクジラとは異なり、孤独な存在とされています。
このため、そのクジラは世界でもっとも孤独な鯨と呼ばれています。
52ヘルツのクジラたちのネタバレ
貴湖には、辛い過去がありました。
彼女は母親の再婚相手から虐待を受け、孤独な食事を強いられる日々を送っていました。
家族の幸せな時間を感じながらも、彼女の苦悩は誰にも理解されることはありませんでした。
更に彼女の不幸は続きます。
義父が重い病気にかかり、彼女は一人で介護を引き受けなければなりませんでした。
就職の内定も諦めざるを得ず、毎日介護に明け暮れる日々でした。
しかし、義父からは感謝の言葉ではなく、暴言や暴力が彼女を襲いました。
彼女の苦労は増すばかりで、眠る暇さえ奪われるようになりました。
貴瑚は、孤独と虐待によって絶望の淵に立たされていました。
その絶望的な状況から救ってくれたのは、親友の牧岡美晴でしたが、それでも貴瑚の人生は波乱の連続でした。
ある日、美晴に連れられて訪れた飲み屋で、貴瑚は岡田安吾と出会います。
最初はただの知り合いだと思っていた彼が、貴瑚に必要な優しさを与えてくれました。
安吾は貴瑚が一人で頑張ってきたことを称え、そして新しい道へと導いてくれました。
貴瑚は安吾について行く決断をしました。
彼は準備を整え、貴瑚を家から連れ出しました。
当然、母親は抵抗しましたが、安吾は彼女に立ち向かい、貴瑚を救い出しました。
安吾の行動はまるでヒーローのようであり、彼の優しさとサポートによって、貴瑚は新たな人生を歩むことができ、再び立ち上がることができました。
過去のトラウマ
貴瑚の彼氏である新名主税との出会いは彼女に幸せをもたらしましたが、過去のトラウマや虐待の影響で彼女の精神は不安定でした。
しかし、彼と過ごす時間の中で、貴瑚は少しずつ以前の明るい性格を取り戻していきました。
彼に恋をし、幸せな日々を送っていましたが、新たな苦悩が訪れます。
貴瑚は安吾をヒーローとして尊敬していましたが、彼に敵意を抱いていることが明らかになります。
かつての状況なら、貴瑚は安吾への尊敬から恋愛感情が芽生えていたかもしれません。し
かし、彼女は現在の状況を考慮し、主税を選択しました。
しかし、貴瑚は、主税には実は婚約者がいることを知りました。
自分が浮気相手であることに気づいた貴瑚は、安吾が社内で発信した密告文も知りました。
安吾が主税を睨んだ理由も、その時点で理解しました。
主税から「愛人になれ」と言われた貴瑚は、母親と愛人との子供である自分が、過去に母親から虐待を受けた経験を持つこともあり、また同じような悲劇が繰り返されるのではと恐れました。
しかし、どうしても主税から離れられない貴瑚は、彼が自分にとって必要不可欠な存在だと感じていました。
安吾は会社に主税を告発しても無駄だと悟り、彼の婚約者にも密告文を送ります。
謝罪
ある日、主税は興信所に調査してもらった安吾の調査報告書を手に入れて帰宅します。
その中には、安吾がトランスジェンダーで本名が岡田杏子であることが書かれており、彼は母親にも電話します。
母親は我が子の性について知らず、動揺して謝罪します。
貴瑚はアンさんの言葉を思い出し、主税と別れる決断をします。彼女は自分が大変なことをしてしまったのではないかと思い悩みました。
貴瑚は安吾に謝罪するため、主税との別れを決意し、安吾の元へ向かうことにしました。しかし、その日は安吾の母親が訪ねてきて、2人で安吾の部屋に入ると、安吾がおらず風呂場で水に浸かっているのを発見します。
安吾は自殺しており、遺書が見つかりました。1通は母親宛で、もう1通は主税宛で、貴瑚と別れるようにとの言葉が書かれていました。そして、貴瑚への謝罪と祈りが綴られていました。
安吾の遺書には、貴瑚への深い愛情が込められており、彼が自分自身の命をかけて手紙を書いたことが伝わります。しかし、主税は手紙を受け取った直後に燃やしてしまい、彼女と主税はもみ合いになった末、彼女のお腹に包丁が突き刺さりました。
命は助かりましたが、彼女は主税やその家族から離れることを余儀なくされました。彼女は祖母が住む大分県の田舎町に移り、自分自身の責任を感じながら、新しい人生を始めました。
そんな中、彼女は不思議な少年”ムシ”と出会い、彼との出会いが、彼女の人生に大きな変化をもたらすことになります。
見知らぬ少年
ある日、雨宿りをしていた貴湖は見知らぬ少年と出会いました。
その少年は女の子のような容姿であり、痩せこけており、たくさんのアザがある状態でした。
心配になった貴湖が声を掛けましたが、少年はすぐに去ってしまいました。
数日後、再び出会ったときには、貴湖は少年を家に招待しました。
しかし、少年は理由はわからないものの、言葉を話すことができませんでした。
そのため、貴湖は筆談での会話を選択しました。
すると、少年は自分の名前を話し、「ムシ」と名乗っていました。
貴湖は以前話したクジラの話題を参考に、少年のことを「52」と呼ぶことに決めました。
その後、少年は「ムシ」という名前ではなく、愛(いとし)という名前で貴湖と過ごすようになりました。
田舎の食堂で働く母親は、容姿は可愛らしくて愛想が良い女性でした。
彼女が52のことを話すときも、周りから羨ましがられるほど幸せそうな表情を見せていました。
しかし、52との間に感情的な問題が生じ、彼女は母親としての役割を果たすことができませんでした。
そのため、母親は52のことを受け入れることができず、激しく非難しました。
「あんな奴を産むなんて、私の人生が狂ったわ。」
「あんな思春期のドロドロした感情しか持っていないやつを育てる必要があったのか」
母親の言葉を聞いた貴湖は、52の心情を理解し、助けたいと決意しました。
貴瑚が愛とすぐに一緒に生活を始めることは困難であり、琴美から親権を取り上げる必要があるため、現実的な問題として待たなければなりませんでした。
貴瑚の祖母である昌子が愛を受け入れ、法的手続きを担当することで、貴瑚は2年後に後見人になることができました。
しかし、これでもまだ手続きが簡単なものではありませんでした。
貴瑚は町で美晴や他の人々と出会い、何もかもを失ったように見えましたが、多くのものを手に入れました。
クジラ
物語の終わりに、貴瑚は愛に向かって話し、かつての自分が大切な人を殺してしまい、もう一人の大切な人を恐ろしい人に変えてしまったことを告白します。
しかし、愛が貴瑚を助け、彼が救われたことに気づきました。
貴瑚と愛は、孤独で歌う夜が来ないように、互いに声を聞きながら生きることを誓い、世界中の52ヘルツのクジラたちに向かって祈りを捧げたのでした。
52ヘルツのクジラたちの感想
この映画を観る前、志尊淳さんのヒゲが似合わないというのを見て、私も予告を観たときうすうす感じではいたんだけど、いざ映画を観ると、志尊さん演じる役は、若干似合わないヒゲも含めてのキャラクターで、キナコの唯一の理解者であり、魂の番で、本当に良いキャラクターだった。
志尊さんが演じてくれてありがとう、という気持ちです。
まとめ
以上、52ヘルツのクジラたちのあらすじやネタバレ、感想を紹介しました。
いかがでしたでしょうか?
52ヘルツのクジラたちは現代社会の悲しい事件に対するメッセージを含んでいると感じます。
親として、愛とは本当に何かを考えさせられる作品だと思います。
観るたびに涙が出るほど感動的な作品です。
考察を読んでから見るとより理解が深まりますのでぜひもう一度ご覧になってみてください。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
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